社長挨拶

日本人は古来より「いただきます」「ごちそうさまでした」と‘こうべをたれて’動植物の命、即ち自然の恵みを頂くことに「ありがとうございました」と感謝し、排泄物を正しく土に還し、そこからまた生命が誕生する循環を繰り返してきました。この「排泄物を正しく土に還す(命の土)」ことは、大自然の摂理であり、資源循環型社会の最も重要な基盤となるものです。しかし驚くべきことに、学校でも仏教、イスラム、キリストなど如何なる宗教においても排泄物の取扱いは示されておりません。そして近年、文明や経済が発展したことにより、人間の暮らしは便利で豊かになりましたが、ものを棄てるという概念が生まれ、資源循環を遮断してしまいました。
 歴史をひも解くと、日本において排泄物が肥料として商業利用され始めたのは鎌倉時代からと言われております。江戸時代には幕府からゴミの分別・収集・運搬・処分に関する政令が出され、特に糞尿(下肥)は「金肥(キンピ)」と呼ばれ流通し地域の農地を肥沃化し農業生産性を高めておりました。これにより当時どの国にも無い、リサイクルの概念を持った、衛生的で、資源循環型の社会が出来上がりました。この時代、ヨーロッパではペスト、コレラなどの感染症が猛威を奮っていましたが、日本において流行はほとんど無く、結果的に人口100万人以上の世界の主要都市へと導いたと考えられております。

 しかし第二次世界大戦後、日本や人類にとって悲劇的な2つの大きな変化が起きます。「化学肥料の普及」と「廃棄物の焼却処理の主流化」です。化学肥料が普及すると土壌ミネラルバランスは崩れ、作物は自らの独特な香味が無くなるなど土壌の荒廃化が進んでおり、その大地で育った動植物にも影響を与えています。
振り返ってみると、化学肥料が普及される以前の日本は、アジアで最も栄えた100万都市江戸を築き上げ、良くも悪くも武力で世界を席巻し、戦後も世界第二位の経済大国までのぼりつめました。化学肥料を使用した食物で育った現在の世代に同じことができたでしょうか?私はミネラルバランスのとれた「命の土」で作った作物を食す生活スタイルが、高い免疫力、深い知恵、そして気概のある健康な人間を生み出したのだと考えております。
昨今、病院は病人で溢れております。所謂「健康で文化的な最低限な生活」を送れているのか疑問です。私達はいまこそ日本人の先祖が残した知恵、土に還るものは正しく土に還し、命ある土から生まれたミネラルバランスのとれた作物を食す生活スタイルを世界に広めていきたいと強く願っております。
他方、「廃棄物の焼却処理の主流化」により現在、日本の多くの地域では、大量の化石燃料を使用して、本来土に還すべき生ゴミ等を数百億もの税金で焼却施設を建設して焼却処分しております。環境保全や食品残渣の有効利用、堆肥の利用促進による食糧資源循環の観点からも焼却処分は百害あって一利なしです。

「ハザカプラント」は、近年の経済成長に伴う廃棄物の増加にも対応できるよう、先人達の知恵と自然から学んだ事を基に昭和58年に開発した日本で初めてのスクープ式高速発酵処理施設です。
これを利用して同様の理念のある方々と共に、寸断された各地域における資源循環システムの回復、ひいては人類の健康の向上に貢献していきたいと考えております。

株式会社 県南衛生工業
 代表取締役 葉坂 勝