有機廃棄物を微生物の力で発酵・分解する「ハザカプラント」です

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研究内容

ハザカプラント研究所の研究内容をご紹介するページです。

ハザカプラント研究所のご紹介

 ハザカプラントから生産された堆肥中には1gあたり約100億個ものバクテリア(微生物)が住んでいます。このバクテリアは長年、様々な有機廃棄物を堆肥化する過程で、激しい生存競争に勝ち抜いてきた有能かつ“ 獰猛(どうもう)”な集団です。
 これらの中には木質系バイオマスを高分解するものや、抗生物質などを生産するもの、有害有機化合物の一種を分解するものなど、人間社会への応用が期待できるものがたくさんいます。それらの微生物を1つ1つ分離・分類し、その性質を明らかにすることでハザカプラントの微生物学的な特徴を解明し応用しています。
 さらに堆肥化過程の臭気を含む有機化合物の変化や、生産された堆肥の効能や収穫した作物の特徴を分析するなど幅広い研究を行っています。
 現在は下記の4分野を集中的に研究しています。

ハザカプラント研究所

微生物分野

世界初のバクテリアを発見

 (1)ハザカプラントの高温環境(50―80℃)で生息するバクテリア(好熱性細菌)を分離・分類しています。ハザカプラントには分類学的に新規のバクテリアが多く集まっており、すでに下記写真のような大変珍しいバクテリアを数多く発見し、学名を提案、国際的な学会から承認されています。これらのバクテリアはいずれも世界初の発見です。

 (2)ハザカプラントから分離したバクテリアやそのゲノム情報から有用酵素や抗生物質などの2次代謝物などを探索し、応用の可能性を探っています。

 (3)当研究所で発見し命名された新規バクテリア「サーモスポロスリックス・ハザケンシス Thermosporothrix hazakensis」から木質系バイオマスの成分でもある結晶性セルロースを分解し、幅広い温度帯やpHで活性を維持する特徴を持つ新規セルラーゼなどを発見しました。

代表的な発見例

学名:サーモスポロスリックス・ハザケンシス(Thermosporothrix hazakensis)
 特徴は、新科・新属・新種として提唱し、木質系バイオマスの成分であるセルロースやキシランなどに強い分解性を持っていることです。子孫の残し方(胞子形成様式)が原核生物では報告例のない新しい様式であることが明らかになりました。
 さらにこの菌は、形態が分岐した気菌糸に胞子を着生する典型的な放線菌様の形態を示していますが、放線菌とは系統的に大きく異なるクロロフレクサス門という分類に属することが明らかになりました。放線菌は抗生物質などの主な生産源ですが、このハザケンシスの系統が将来、放線菌に次ぐ抗生物質などを生産するための微生物資源となる可能性を秘めています。

学名:サーマエロバクター・コンポスチ(Thermaerobacter composti)
 この菌も新種として提唱し承認されたものですが、特徴は高度好熱菌ということです。このサーマエロバクター属は元々、海洋の熱水噴出孔などから分離される海洋微生物とされてきましたが、堆肥から発見されたのは初めてです。78℃まで生育することが明らかになりました。当時78℃まで生育可能な堆肥由来好熱菌はサーマス(Thermus)属しか知られておりませんでした。しかし、このコンポスチは堆肥の発酵中の好気環境で生き残り、発酵温度を75℃以上まで上昇させる役割の一部を担っている可能性があります。

堆肥・土壌・廃棄物分析分野

 (1)全国15カ所に展開しているハザカプラントから生産された堆肥や、その堆肥を使用した畑の土壌などを定期的に調べ、肥料成分や有害重金属などを分析・管理しています。また、処理する有機廃棄物中に有害物質が基準以上に含まれていないかを分析・確認しています。

 (2)堆肥化過程の臭気成分や有機化合物の変化をGC/MSやLC-MS/MSといった精密機器を用いて解析しています。

プラント分野

 発酵過程中の臭気成分や有機化合物の変化をGC/MSやLC/MSなどを使って解析し、廃棄物の種類や発酵環境、酸素濃度、pHなどによってどのように変化するのかを解析しています。

プラント分野

栽培分野

 ハザカプラントが生産した堆肥を使って収穫された作物の栄養成分や香気成分、ミネラルなどを解析しています。

研究主要設備一覧

研究主要設備一覧

  • LC/Q-TOF (LC-MS/MS)
  •  液体クロマトグラフィーにより、液体に溶けている有機化合物を各 種カラムで分離させ、四重極と飛行時間型の質量分析装置により、 精密質量を測定する装置です。
    • ・微生物の生産する2次代謝産物の質量解析
    • ・作物や堆肥中の残存農薬など解析
    • ・作物の栄養成分(アミノ酸、ビタミン類など)を解析
    • ・堆肥などに含まれる有機化合物の定性など
  • GC-MS(臭い嗅ぎ付き)
  •  四重極質量分析装置付きガスクロマトグラフィー。ガス成分や有機化合物を分析する「臭い嗅ぎ装置」により、各成分(ピーク)の香気を実際に嗅ぐことができます。
    • ・廃棄物のVOCなどの有害物質を測定
    • ・微生物の脂肪酸測定
    • ・食品や飲料、堆肥などの香気・臭気成分測定など
  • ICP-MS
  •  銅や亜鉛、鉛、マンガン、クロムなどの元素を測定する装置です。
    • ・廃棄物や肥料の重金属などを測定
    • ・作物や土壌・堆肥の微量ミネラル分測定

その他設備
 ゲルマニウム半導体検出器、ICP発光、分取HPLC、原子吸光度計、炭素・窒素自動分析装置、位相・蛍光顕微鏡、クリーンベンチ、PCR装置一式など

ハザカプラント研究所 概要

名称株式会社県南衛生工業 ハザカプラント研究所
代表者研究所長 矢部 修平
微生物分野指導元東京大学准教授、現在国立インドネシア大学教授
横田 明 先生
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 ハザカプラント研究所の発表論文は以下の研究所発表論文ページでご参照いただけます。